義父母の実家での【仮同居】のこと。
義祖母とも一緒に暮らしていました。
そのとき義祖母は82歳。
ちょうど認知症が出てきたかなと思い始めたころ。
自分で歩いて、自分で食べて、自分でお風呂に入り、トイレも行っていました。
しかし、一緒に暮らしていた1年半後、
その全部が自分ひとりではできなくなっていました。
介護を目の当たりにした1年半でした。
祖父母と暮らした経験がない私にとって、それは衝撃的な出来事。
介護事情を知り『家づくり』に活かす必要があると感じました。
「介護」を考えた家づくり
①小さな段差を作らない
私たちが同居するはじめの頃、義祖母は、一般的な健康な高齢者と同様の歩き方でした。
階段も上がれます。
しかし徐々に、一日一日と日を追うごとに、
少しずつ足腰が弱くなっていきました。
立っていると机や椅子に手でもたれることが増え、
座ることが増え、
座ると立つのに時間がかかるようになり、
一人で立つことができなくなる。
急に歩けなくなるのではなく、
だんだんと歩きが鈍くなり、足をすって歩くように。
本当に小さな小さな変化だっだけれど、確実に衰えていった。
足をすって歩くとき、段差は転倒の危険になる。
わずかな数センチの段差も、つまづきの原因になりかねない。
カーペットのふちでさえ危険。
だから『家づくり』では、小さな段差を作らないように心がけました。
我が家は、リビングにある畳と床との間もフラットに。
廊下の床と洗面所の床も境目はフラット。
床材が異なる箇所もつなぎめはできるだけ平坦にすると
歩行の妨げになりません。
また、歩行についてわたしたち周りの家族が大変だと感じたこと、
それは、
「一人で歩けるけれど自力で起き上がれない」とき。
それも、『床』に座ってしまったとき。
床に座ってしまうと、起こすのに全体重を持ち上げなければなりません。
椅子に座っていれば自力で立ち上がることができるが、『床』はそうはいかない。
義祖母は少しふくよかだったため、大人の男性でなければ持ち上げられず。
床に座らないでね、と伝えても認知症のためか何度も床に座ってしまう。
そのやりとりは数か月間、ほぼ毎日続きました。
だんだんと、義母自身で椅子から立ち上がることができず付き添いが手を引いて歩くようになると、椅子まで誘導できるようになりその問題はいつしかなくなりました。
介護において『歩行』はどうしても介助が必要になるものだと学びました。
②風呂の洗い場やトイレを少しだけ広めに
歩行だけでなく、介助が必要になるのは『お風呂』や『トイレ』も。
義祖母の介護は主に義母が担っていたため、
お風呂やトイレでどのように介助していたかは見ていないのですが、
一緒に住んでいると何となく分かるもの。
まず『お風呂』。
平日はデイサービスでの入浴があるものの、土日は自宅で入ることになります。
そんなとき介護用品を使っていました。
「浴室用のいす(シャワーチェア)」や「入浴台」など種類は様々ありますが、
それらのグッズを使うのに十分なスペースが必要です。
浴室用のいすは体を安定させるためひじ掛けや背もたれもあり、大きい。
わが家は浴室を少し広めの1.25坪に。
現在は、子どもと入るとき洗うスペースが広く、恩恵を感じています。
それは『トイレ』も同様です。
少しだけでも広げることで介助しやすい空間になります。
お風呂の扉を開き戸にしてしまったけれど、引き戸にすれば良かったと後悔。
③扉はスライドしやすい引き戸に
開き戸は、開ける際に扉を開く動作が大きい。
一方、引き戸は手の力が弱い人でもラクに開けられる。
なので、我が家はほとんどの部屋に引き戸を採用。
玄関も引き戸にしました。
写真では西日が差しこんで光が入っています
なんだかんだ両手に荷物をかかえていても、肘で開けられたりもできます。
引き戸にすることで、玄関ポーチも有効に活用できます。
まとめ
親が元気なうちは必要ないと思っても、
いざという時に少しのリフォームや取り付けで
介護しやすい家になるような間取りを考えていきたいですね。
お世話する人が少しでもラクになるために。